弾き手への作用で考える「良い楽器」について。
2019/06/21
いろんな理由で楽器を買い集めてきましたが、よく使う楽器とそうではない楽器とがありました。
「良い楽器だなぁ」と思うものがいくつかあるのですが、それは必ずしも値段が張るものというわけではないですし、音が良いというわけでもなかったりもします。
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買う理由とその変化
僕の場合、所有する楽器が増えるにつれて、新しいものを買うときの選び方にも変化がありました。
最初は
という感じで楽器が増えていくのですが、次第に
という具合に、目的ありきの買い方になっていきました。
弾き手目線で考える「良い楽器」
そんなにいっぱいギター買ってどうするの?
全部同じ音に聴こえるけど…どう違うの?
って言われたことがある方も多いのではないでしょうか。僕もあります。
「音がちょっとずつ違うんだよ!」と返したくなるんですが、どうにも説得力に欠ける感じがしますね。
こういう素朴な疑問に対して、僕が考える模範解答は
楽器ごとに弾きたくなるフレーズが変わるんです!
たとえばレスポールとストラトキャスターの違いなど、弾き手が思っているよりずっと聴き手には伝わりにくい。
セミアコとフルアコなどであればさらに伝わらないようにも思います。
しかし、聴き手には伝わりにくいこういう違いも、弾き手のインスピレーションには確実に作用します。
音それ自体はもちろんのこと、ボディーの大きさや重さ、ネックの太さといった演奏性、さらには見た目や色で弾きたいフレーズが変わってくることもきっとあると思います。
弾き手のインスピレーションに作用する楽器の要素はとても多いのです。
弾き手にとっての「良い楽器」
作用するのは聴き手ではなく弾き手という考え方は、楽器の選び方の指針にもなるのではないかとも思っています。
といったインスピレーションだけでなく音色にも関わる購買動機はとても建設的と思いますし、
人生の転機に記念として新品のギターを買って長く育てていこう!
といった思い出や記念に紐づけるのも素敵だと思います!
理由は人それぞれとは思うのですが、こういう動機付けが弱いと手に取る頻度がどうしても下がってしまいます。
そして、触る頻度が低い楽器はその人にとって「良い楽器」とは呼べないのではないかとも思います。たとえその音がどれだけ良くても。
おわりに
音が良い楽器が必ずしも「良い楽器」ではないと個人的には思っています。
必要性が自分の中で整理されていて自然に手に取ってしまう楽器こそ、その人にとっての良い楽器ではないでしょうか。
2016/6/16 odasis