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サウンドクリエイターに転身した京都大学卒の元人事マンが雑多なノウハウを晒すブログ。 「おだしすたぢお」

ギタリスト向け

ギタリスト諸君!初参加のジャズのセッションでチック・コリアのSpainをリクエストするのはやめような!

2017/06/28

世紀の問題作!チックコリアのSpain。

 

odasisが学生時代属していたコミュニティでは「セッション曲と言ったらチキンかスペインでしょ!」そんな風潮がありました。

自分含め碌に弾けている人はいませんでしたが、井の中の蛙…もとい井の中のodasisは全世界的にそれがスタンダードなんだと思い込んでいたのです。

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ジャムセッションにおけるスペインの位置付け

ところがどっこい!

いざジャズ箱のジャムセッションでSpainをリクエストするとまあ悉くホストミュージシャン達はバツの悪そうな顔をするのです。「スペインで!」と言った瞬間に一気に顔をしかめステージを降段するホストの方さえいらっしゃいました。

少し冷静に考えればわかるのですが、Spainは他のジャズスタンダートとは決定的に違う点があります。

それはビートです。

ジャズのセッションを開催する人は当然「ジャズセッション」と銘打ちます。ジャズにも星の数ほどの細かいジャンルがあり、さらに言えばジャズというジャンルすらその他との境界が曖昧なわけですが、「ジャズセッション」におけるジャズの定義は「いわゆるジャズ」であり、それは4ビートのスイングなのです。

当然ながらそこに遊びに来る人もそれを想定して来ますから、ビートが異なる曲に拒否反応を示すのも当然でしょう。

初参加のジャズセッションでCissy Strutをリクエストした時の話はまた今度しましょうか。野暮だと思いますけど。

ジャズメンについての考察はこちら↓

ジャズメンはエイトビートが苦手?!

 

構成のパターンが複雑

さらにジャズのセッションに限らず、例えばギタリストばかりが集まるセッションでもSpainを遣るのにはいくつかのハードルを乗り越える必要があります。その一つが曲構成。

(以下全てキーはBmを想定)

基本的には循環コードで良いものの、例のリフからGM7に入るタイミング(何泊目で入るか)に個人差があります。というよりベーシストに委ねられています。

さらにアドリブ終了時に原曲(冒頭の動画)のようにGM7に戻るのか、はたまた…

こんな感じでEmに戻るのか

あるいはこんな感じでそのまま次のソリストに繋ぐのか…などなど

パターンの多さゆえ、セッション中も曲構成を合わせることに神経をすり減らしてしまい「なんとか終わった…」というような楽しめない状況にもなりかねないのです。

 

リフが難しい

リフは曲冒頭と途中の転換の2種類ありますがどっちも難しいです。少なくともギターで難しいのですからウッドベースなどはさらに難しいことでしょう。

リフをそもそも練習したことがないという場合も含め、弾けないことの露呈を恐れるミュージシャン各位は必然的難しいリフのある曲を避けがちになるのです。

 

顔なじみができてからのお楽しみ

ゴチャゴチャとまるでSpainという曲を否定するような書きっぷりですが、odasisはこの曲が死ぬほど好きです。

上記はあくまで「初参加」の「ジャズ」の「ジャムセッション」の場合の話であり、最初の何度か足を運びホスト・客のミュージシャン達とのコミュニケーションがある程度取れるようになってくると、この曲の緊張感をコミュニケーションの一部として上手に利用できるようになります

まともに弾ける人が少ない曲ゆえ、笑いすら起きる楽しいツッコミ合戦もできるわけですが、そのような熟したコミュニケーションは初対面ではなかなかできません。初参加のセッションでSpainをオススメしないのは、その緊張感がCommunication Breakdownに繋がってしまうのを危惧するゆえです。

 

ブルースは万能

ギタリストにとってSpainという数少ないツールを取り上げられるとお手上げ!さながら種のないスイカ!?

という人はとりあえずブルースをリクエストしましょう。
ブルースをリクエストして煙たがるミュージシャンはほぼいません。
ジャズブルースが弾けなければチョーキングで泣きのフレーズを弾けば良いのです。そしてギタリストにはブルースに対するアプローチがたくさんあります。

何せロックもジャズもフュージョンも、ほとんどの音楽はそのルーツをブルースに持っていますから。

 

まとめ

セッションはコミュニケーションです。

ジャムセッションの場でものすごく上手なプレーをしたとして参加者は明日になったらあなたがどんなフレーズを弾いていたかの9割は忘れています。あとでこっそり声をかけてもらえるかもしれませんが。

セッション自体が消費的で刹那的な営みの性質が強く、参加者もそれを望んでいることが多いということを理解しましょう。

だからこそコミュニケーションに身をおくのです!
会話のように、愛のように、ケンカのように…相手を思いやる心はやはりここでも重要です、

2016/9/2 odasis

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