「昔は良かった」もとい「良いものだからこそ残った」一番好きなジャズスタンダード【Lullaby of Birdland/George Shearing】
JUJUのカバーで若い世代にも一気に普及した感のあるこの曲。
なにを隠そうodasisが一番好きなジャズスタンダードです。
ジャズスタンダードについて
ことジャムセッションにおけるジャズスタンダードは文字通り共通言語です。
皆がメロディとコードを知っており、キーとテンポさえ決めれば即興で演奏できる。
まさにジャズの醍醐味であり、ジャズミュージシャンたるもの「皆が聞いたことのある曲をどうやって聴いたことのないアレンジで聴かせるか」も重要な心がけのひとつであります。
良いものだからこそ残った
”「昔は良かった」じゃなくて「良いものだから残った」んだよ。”
厚かましくも最近のJ-Popシーンのレベルの低さを嘆いていたodasisを、そうやって宥めてくれる友人がいました。
その通りだと思いますし、ジャズスタンダードこそ、そうやって残ってきた遺産と言えましょう。
いかに面白みのある演奏にするか、大変重要なマインドでありますが、自分が演奏している曲がどれほどの歴史を持ち、どれだけの敬意を集めてきたか忘れてはいけませんね。
自戒も込めて。
ジャズのアレンジ
説教じみた話は置いておいて。
最近ビックリしたのがこれ↑青木カレンのSummertime。バックバンドはかのIndigo Jam Unit。
Summertimeの詩にはこんな明るいイメージは持っていなかったので驚きました。かっこいい。
ジャズスタンダードはそれなりに古い曲も多く、いろんなアレンジが挑戦されているわけですが、今回紹介のLullaby of Birdlandはアレンジの幅が比較的狭いと感じています。
4ビートのジャズ以外でやっているアレンジをあまり見たことがない。ボサノバくらい?
面白いのがあったら教えて欲しい。
マイナー感の非常に強いコード進行とそのコード展開の早さによるものだと思うのですが、この何者も寄せ付けないメロディラインの力強さにこそodasisは惹かれてしまうのです。カバーする気をなくさせるくらいの引力がある。
歌詞も素敵ですよ。ググれば和訳とともにすぐに出てきますが、ロマンティストには堪らない歌詞。
バーで流れたら一杯多めに飲むようにしています。ほとんど流れないけど。
カバーしてる人
うまいなぁと思うのはやっぱりこの人↓ビレリ・ラグレーン。
でも一番好きなのはこれかな↓ Fried Pride。
おわり
先日Huluで「坂道のアポロン」を見ました。素敵なアニメだった。
ジャズやってる人なら流れる曲はほとんど知っているものだと思うし、制作者側の信念すら感じる演出でしたよ。
”降りてこい!ビルエヴァンス!”
おれにも!ぜひ降りてきて!
JUJUしかりこのアニメしかり、ジャズの裾野を拡げる人々は偉大だなあと思っています。ともすればすぐ排他的になる土壌がありますからね。
海を渡れば新しいジャズも生まれつつあるようですし、今のジャズも昔のジャズも目が離せません。
2016/10/25 odasis