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サウンドクリエイターに転身した京都大学卒の元人事マンが雑多なノウハウを晒すブログ。 「おだしすたぢお」

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ドラム経験者によるドラム打ち込みのコツ。【その⑨:ジャズドラムを打ち込む】

2017/05/06

ドラマーなら一度は憧れるジャズドラムですが、知らない人にはジャズドラマーが何をやっているかってすごくわかりにくいんですよね。

というわけで4ビートのジャズドラムの打ち込みの考え方を解説してみます。

まずはそれっぽく聴こえさせることを目標にしよう!最後にデモも載せています。

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ジャズドラムは分かりにくい?

ものすごく自由に好き勝手なことをやっているように見えがちなジャズドラムですが、8ビートや16ビートと本質的には同じ。

わかりにくく見えるのはビートの核になっている楽器が違うからです。

核となるビートの上に足していくという作り方は8ビートや16ビートのそれと変わりません。

核になる楽器

まずは基本パターンをみてみましょう。これさえ鳴っていればベーシストは安心します↓

 

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8分3連符のグリッド↑で作ります。3等分の真ん中を抜けばスウィングですね。

鳴っているのはライドとペダルハイハットの2つだけですが、ここで重要なのはハイハットです。

よくジャズドラムと聞いてイメージするのはライドのレガート奏法ですが、ジャズドラムにおいてビートの核を担うのは紛れもなくハイハット。

ハイハットが鳴れば曲のテンポがちゃんと聴こえてきます。

フレーズに変化を与える場合を除いて、ペダルハイハットは一定のベロシティ・オンタイムで鳴らしましょう。ランダマイズの余地はありません。

これに対してライドにはベロシティ、タイムともにランダマイズの余地が多々あります。ライドはヨレてもよいのです。核ではないから。

スネアを入れる

ここが難しいと思うので少し長めに書きます。

ジャズにおけるスネア

ジャズにおけるスネアの役割は8ビートや16ビートのそれとはまるで異なります。

一定の音で鳴らし続ける役割はハイハット(とライド)が既に担っているからです。

ジャズドラムにおけるスネアは

  1. ビートの核を担わない
  2. 装飾的な要素が強い
  3. ゆえに自由であり個性が出やすい

ものです。

ジャズドラムに規則性が無いように聴こえるのはこのスネアの自由さに起因するものと言えましょう。

左手はいつも自由

前述の基本パターンでは左右の手は交差していません。

また基本ビートは右手(ライド)と左足(ハイハット)のみで成立しますので左手は常に自由。言ってしまえばどのタイミングでもスネアを鳴らすことができてしまうということです↓

↑左手は常にスネアに触れています。

パラディドルの訓練をきちんと受けているドラマーは右手(ライド)と左手(スネア)のパラディドルの中で、どこで鳴らすかをしっかりコントロールしているわけですが、ややこしくなるのでその辺りは省略します。

「気持ちいい」と感じるポイントを押さえていけばドラマーの思考回路にも近づいていけるはず。とりあえずやってみよう!

打ち込むときのポイント

コツはざっくり下の2つ。

  • 低いベロシティで鳴らし続けること。
  • 裏拍(8分)に入れること。

やってみます。いつものとおり少しずつ拡張させるように作ってみます。

全部入れる

まずは裏拍全部に低いベロシティでスネアのヒットを入れてみます。ゴーストノートを叩き続けるイメージ。

 

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間引く

次に適当なところの音を間引きます↓なんなら全部間引いてもよい。

 

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差し替える

音色を差し替えていきます↓


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ロールやフラムを効果的に使いましょう。

オープンリムショットは鳴らすのにエネルギーが要りますので、入れるときはシンコペーションなど明確な意図を持って入れましょうね。(シンコペーションについては後述)

クローズドリムショットは左手の持ち方を変えないと出せないので使い方が少し異なります。ペダルハイハットに重ねたりしてシーケンシャルに鳴らしたりしますが迷ったら使わずともOKです。

クローズドリムショットを入れたパターン↓

 

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キック

キックも役割はスネアと同じですが右足で鳴らす楽器なので右手のライドのアクセントに合わせると自然。

右半身と左半身は同じ動きをする方が楽なように身体はできていますから。

必然的に表拍の方が多くなります。

アクセントとして後述のシンコペーションに合わせるのも効果的です。

またランダマイズの回で「キックは全部ベロシティは同じでOK」と書きましたがジャズは例外です。

こんなかんじ↓

 

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タム

タムは左手で叩くことが多くなりますのでスネアの音色の選択肢の一部として捉えると良いです。

右手で叩くこともありますが、その時はライドを鳴らさないように注意です。

クラッシュシンバル

8ビートや16ビートではクラッシュは「1拍目にズドーン」が定番ですがジャズではそんな鳴らし方はあまりしません。ライドのアクセントのような位置付け。あるいはシンコペーションで強めに鳴らすのも効果的です。

わからなければ無くてもOK。

シンコペーション

シンコペーション(syncopation、切分法)とは、西洋音楽において、拍節の強拍と弱拍のパターンを変えて独特の効果をもたらすことを言う。(wikipediaより)

ジャズといえばシンコペーションですが、特にジャズらしいシンコペーションは4拍目のシンコペーションです↓

 

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打ち込むポイントは

  • ベロシティを上げる。
  • 複数の楽器を同時に鳴らす。

です。

複数の楽器とはライド+キックであったり、スネア+キックであったり、あるいはスネア+キック+ライドであったり。

シンコペーションさせたりさせなかったり、鳴らす楽器を変えたりしながらフレーズに表情を付けていきます。

フィルイン

ジャズには分かりやすいフィルインが少ない。

少しずつ音を増やしながら基本パターンに繋げていくと良いでしょう。(これが難しいんですけど…)

分かりやすいフィルインのひとつはスネアロールです。後のデモ音源で使っています。

音色について

ジャズでは余韻がある楽器が好まれます。打ち込みでやるなら

  • 全体的に高めのピッチのものを使う。
  • できるだけ木製のタイコを使う。メイプルとかバーチとか。
  • タイコ類は繋がりが良い音色を選ぶ。(タム間の音程差が大きすぎないように etc.)
  • シンバルはヴィンテージ系のものを使う。
  • ミックス時はオーバーヘッドマイク、ルームマイクを大きめに空気感を出す。

といったところでしょうか。今回のデモで使っている音源はSuperior Drummer 2.0。

作ってみた

全部まとめて作ってみました↓

ドラムソロはこちら↓

 

MIDIデータ↓おまけ①

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おまけ②↓これのドラムは打ち込みです。

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目次

その①:必要性について考える
その②:グルーヴの支配者
その③:アクセントのコントロール
その④:ゴーストノートを打ち込む
その⑤:キックの位置
その⑥:ランダマイズの考え方
その⑦:フィルインの組み立て方
その⑧:パーカッションによる補強
その⑨:ジャズドラムを打ち込む

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