星野源「恋」は二胡がポイントだと思う。ヒット曲を分析してみる。【恋/星野源】
いまさら感も否めませんが、星野源「恋」がどうしてあれほど流行ったのか、編曲の側面から分析してみたい。
そうは言っても恋ダンス
流行ったなぁ。これ↓
ラフ・ダイアモンドのイベントで加茂啓太郎さんも仰ってましたが、ポップミュージックとダンスは切り離せないものです。
アイドル楽曲も最近は簡単に踊りが真似できるものが多く、その傾向は強まっているようにも思ったり。
ピンクレディーのUFOはみんな踊れるっていうのも有名な話。
odasisも宴会芸のため、UFOだけは死ぬほど練習しました。
星野源の「恋」がここまで流行ったのはこの親しみやすく真似しやすいダンスに加え、曲の良さ、ドラマの面白さ(まだ観てない)、ガッキーの可愛さ、そして多数の二次創作…
マーケティングという面でもお手本ですね。
編曲の視点でのポイントは?
編曲という点から見たこの曲のポイントは二胡(にこ)の使い方にあると思っています。
二胡は中国の弦楽器↓
Wikipediaにも載ってます。
イントロの2小節目から流れてくる女性の声のような音。これが二胡。
カラオケ音源とかだと省略されてたりするんですが、これがあるのと無いのとでは曲の印象が大きく変わります。
ストリングスに置き換えることも可能なフレージングではありますが、あえて二胡を使うことで絶妙に耳に残る。
ちなみに民族楽器を取り入れたヒット曲は他にもあります。
「世界に一つだけの花」の冒頭のギターのような音はブズーキというギリシャの楽器↓
SMAPの原曲では小倉博一さんが弾いています。おぐちゃんらしいイマジネーションですよね。
ギターに近い音色ということで、二胡よりは耳馴染みも良いのですが、微かな違和感が耳に残る。
ヒットのキーワードは「微かな違和感」?
ヒット曲にはちょっとした違和感が必要だと思うんです。
それはメロディラインであったり、転調の仕方であったり、曲構成であったり、あるいは楽曲以外の要素であったり。
最近のポップミュージックは激しく転調を繰り返すので、ジェットコースターのようなメロディラインやコード展開にもリスナーは慣れてきています。
そういう意味では民族楽器を上手に取り込み、音色でそういう違和感を演出するのは有効なんじゃないかな。いまのご時世だからこそね。
ちなみに…
星野源「恋」のギターは、東京事変で有名な「浮雲」こと長岡亮介さんが弾いています。
彼のルーツはカントリーやブルーグラス。音を聴けば一発で分かる特徴的な演奏。
ロック畑のギタリストには絶対真似できない音です。
「恋」のエスニック感は彼のギターによるところも大きいのかなと思ったり。
おまけ
ちなみに踊ってみた動画で一番好きなのはこれ↓
2017/7/3 odasis