DTM全盛期における楽器演奏スキルについて。作曲の思考回路は楽器が決めると思う。
2017/05/08
ネコも杓子もDTMer!時代は作曲家が供給過多の大DTM時代です。厳しい。
楽器が演奏できなくとも作曲家になれるいまだからこそ、演奏スキルは重要になってくると思っています。特にギターとピアノ。
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DTMにおける演奏スキル
DTMとは「Desk Top Music」の略。ライブ演奏のようなダイナミズムは微塵もない地味で地道な作業です。
彼らはDAW(=編集ソフト)上で
しています。こんな感じで↓
これがいわゆる「打ち込み」と呼ばれる作業。
あとはPCが音源をそのプログラムに沿って鳴らすことで音楽になります。最終的な出音はこの音源の質に依存するので、DTMerはみんな一流の環境で録音された良い音源を欲しがるんですね。
シンプルに見えますが、いろんな楽器を音楽的に鳴らすために扱う変数は非常に多く、当然ながら一朝一夕でできるようになるものではありません。
必要なスキル
必要になる最低限のスキルは
- 音楽理論の知識
- 楽器の知識
- PC・DAWの知識
- センス
必ずしも楽器が弾ける必要はないんです。じっくり時間をかけてプログラミングできれば演奏できずとも曲になるから。
でもね!!
DTM戦国時代だからこそ演奏スキルがある人は強いんじゃないかなと思うんです。ギタリストとしてこの機会に主張しておきたい。
①作曲速度が上がる
DAW上で作曲家が扱う変数はおびただしい量になります。
人間らしい演奏を機械にやってもらうだけでも相当な情報量が必要になってくるので、曲を作り始めてから「音楽的に成立しているかどうか」「良いか悪いか」の判断ができる状態になるまでに時間がかかる。
インスピレーションが重要な「純作曲」の中に、プログラミングという「純作業」が割り込んでくるんです。アイデアが浮かんでもプログラミングしている間に忘れてしまったりしちゃうんですよね。
(特にコードが鳴らせる)楽器が演奏できればインスピレーションをそのまま形にできる。回り道も少ない。
②打ち込みの精度が上がる
これは演奏スキルというよりは楽器に触れたことがあるかどうか。
生楽器の生楽器らしさはPCを睨んでいるだけでは分かりません。ベースのスラッピング、ハイハットのアップダウン、ギターのカッティング etc…
触ったことがなくとも自然な演奏にしてくれる優秀なプラグイン音源もありますが、その楽器らしさを出すための変数のいじり方を一番手っ取り早く知る方法は、やっぱり実際に楽器を触ってみることです。
③作曲の思考回路への影響
個人的にはこれが一番強く思うこと。
曲を作るとき、作曲の思考回路はその瞬間に触っている楽器が決めると思ってます。
ギタリストであればペンタトニックスケールや7thコードを中心に作るかもしれないし、ピアニストなら和音から作るかもしれない。ドラマーならリズムパターンから作るだろうし、鼻歌ならコードを度外視したメロディから作るかもしれない。
楽器が演奏できれば、その分だけこの思考回路にも幅が出るし、何よりその人の個性になる。ギターの手グセみたいに。
この思考回路に限って言えば、DAWの扱いにいくら習熟しても実際に演奏できる人のようにはならないと思うんだな。
「演奏スキルが無い」という個性
大DTM時代は聴き心地がよければなんでも良いという優しい時代でもあります。
演奏スキルが無かろうが、間違った楽器の使い方をしようが聴き心地が良ければそれでいい。新しい音楽を拓いていくのもそういう人達かもしれない。
ただ、演奏スキルを持つ人が減っていく中で、楽器ありきの作曲ができる人の希少価値は増していくんじゃないかと思ってます。
懐かしい楽器の音を聴きたがる人はいつの時代も絶対いるからね。
裏を返して言うなら、楽器が演奏できる人は演奏スキルを付加価値として付ける方法を考えないといけない。難しいけど。
おまけ
odasisはギター・ベース・ドラム・三線などなどを演奏します。
何人か欠員はいますが、今の家にいる息子たち↓
ソウルメイトのGibson J-200を先日実家から持ってきました。手元に置くのは3年ぶりです。
2017/5/7 odasis