ギターアレンジの実例紹介:その1
こんにちは。odasisです。
ギター宅録のご依頼が少しずつ増えてきているので、僕がどんな感じでギターアレンジを進めているか、実例をもとに紹介します。
※記事の内容は音源も含めて全てクライアントの許可を取っています。
楽曲
ニコラシカさんの「時のシャワー」↓
爽やかで疾走感のある楽曲です。メロディの切なさが声と相まって絶妙に惹かれる世界観です。
Apple Musicなど各種配信サービスでも聴くことができます↓
準備
受け取ったデモ↓
ドラム・ベース・ボーカル・コード系の楽器が入った状態です。シンプルながらイメージが伝わってきます。
ここにギターを入れていきます。
実際にギターを入れてみないと分からない部分もあるので、まずは分かる範囲・決まっている範囲で指示をもらいます。
クライアントからの要望はざっくり以下の内容。
- イントロはピアノをギターに置き換えるイメージ。
- 全体的に16分音符のカッティングでキレよく。
- Aメロは歌の邪魔にならない感じで。
- Bメロはキメの部分を合わせ、歌の合間にギターを入れていくようなイメージ。
- サビのアレンジは任せたい。
- (指定箇所に)ギターソロが欲しい。
- 1サビ後の間奏の部分はリフが欲しい。
これを踏まえてアレンジを作っていきます。
今回はMIDIデータでコード情報をもらったので事前にコード譜に落とし込んでおきます。
落とし込み
アコースティックギターを入れる
まずはコード感の補強と空気感を出すためにアコースティックギターを入れます。
今回はオープンコード中心のフォームで演奏します。
テンションノートを入れたコードを適宜を使っていきます。
アコギのトラック(MIX用に加工済)↓
アコギだけを入れた状態↓
【参考】入れる前↓
微妙な違いですが、あるのとないのとで結構違ってくるところです。
収録時には念のためにダブリングしておきましたが、ミックスの段階で1本に減らしました。
エレキギターのカッティングを入れる
続いてエレキギターのカッティングを入れます。
今回のようなテンポ・グルーヴには、エレキギターが16ビートをコードで刻むとうるさく聴こえることがあります。(好みの問題も大きいですが)
また、アコースティックギターも16分で刻んでいますのでエレキギターはブラッシングなどを極力減らした装飾的な役割で入れていきます。
- ハイフレットでテンションノートを拾いながら、どことなくメロディにも聴こえるトラック
- 指弾きでコード感を支えつつ、ビートを出すトラック
上記2つのトラックを左右に入れます。
使うギターはセミアコースティックギター。太くて甘い音です。
ギターだけ(MIX用に加工済)↓
混ぜたもの↓
リフを作る
1サビ後にリフが欲しいとのご要望でしたが、曲の頭から入れてあげた方がリフとして機能しやすいこと、またそのスペースもあるためイントロからリフを入れることを提案しました。
クリーントーンのリフ、1本だと少し細いのでオクターブで2トラック重ねます。
作ったリフ(MIX用に加工済)↓
混ぜたもの↓
サビにパワーコードを入れる
サビの音圧感を出すため
- ディストーションのエレキギターを
- 8ビートのパワーコードで
- 左右にダブリングして
配置します。こんな音です↓
楽曲が8ビートと16ビートの間のようなグルーヴなので、このトラックの音量次第で曲全体のグルーヴが変わってきます。
このトラックの音量を上げると8ビートが強調されてロックっぽくなってきます。
今回はミックスも僕が担当することがあらかじめ決まっていたので、収録時には音量バランスは特に心配せずに進めます。
混ぜるとこんな感じになりました↓
結果的に音量はかなり絞りました。それほど前面に出すべきトラックではないですね。
シーケンスフレーズを入れる
8分音符のシーケンスを入れます↓
これはあっても無くても良いかなという感じで収録しましたが、良い具合に変化がついたので入れました↓
このフレーズだけストラトキャスターで録っています↓
イントロの処理
アコースティックピアノをギターに差し替えるという指示でしたが、ピアノのフレーズがいい感じだったのでそのまま残しつつアコギのアルペジオを加えることを提案しました。
ギターソロ
ディストーションでも良いのですが、全体的にクリーントーンで纏めているため、ソロもクリーンで入れています。
完成へ
今回は10トラック(使用したのは9トラック)の演奏となりました。
ミックス・マスタリングもお任せ頂けたのでクライアントから受け取ったパラデータとミックスして完成です。
おしまい
ギターのアレンジはこんな感じで進めています!
興味がある方は遠慮なくご連絡くださいー!
ご依頼はこちらから↓
2018/12/27 odasis