豊富な入出力でiPadにも対応のオーディオインターフェイスをレビュー。DSPが便利です。【Steinberg UR44】
2017/08/20
オーディオインターフェイスはSteinberg(スタインバーグ)のUR44を3年くらい使っています。レビューしてみよう。
スポンサーリンク
UR44について
まずは基本機能から。
- マイク入力は4つ。
- ライン入力は筐体の前面に4つ(うち2つはハイインピーダンス対応)と背面に2つの計6つ。背面の2つはゲイン固定。
- ヘッドホン出力が2つ。
- ライン出力はメインのLR+4つの計6つ。
- MIDIの入出力端子あり。
- CCモードでiPadにも対応。
- DSP搭載でPCのアプリ・iPadで制御できる。DAWがCubaseの場合は、Cubaseのミキサー上に組み込まれる。
- DSPエフェクトはプラグイン版も同梱される。
前面↓
背面↓
良いところ・惜しいところ
DSPについては後述します。
良いところ
- インプット・アウトプットが多い。
- DSP内蔵のため、レイテンシーなしで録音ができる。
- DSPリバーブが良い。
- DSPアンプシミュレータはクリーンがまあまあ使える。
- iPadで稼働ができる。
惜しいところ
- 背面の入力端子がゲイン固定で入力感度もそれほど高くない。ダイナミックマイクの録音などには使えない。
- DSPアンプシミュレータは同時駆動できるのは1台分だけ。ギタリスト2人以上で同時録音する際もアンプを通した音が出せるのは1人だけになる。
- DSPアンプシミュレータの歪みがイマイチ。
- 持ち運ぶにはちょっと重い。
- ノブを最小にしても入力ゲインがゼロにならない。故障では無いらしい。
DSPとは?
DSP(Digital Signal Processor)は、デジタル信号処理に特化したプロセッサのこと。
DSPを搭載した外部機器にエフェクトの処理などのデジタル処理を部分的に担ってもらうことで、PCの負荷軽減やより高度な処理が可能になります。
デジタル信号処理ができる脳ミソを増やすようなイメージ。
本来、オーディオインターフェイスは音声信号をデジタル(PC内部で処理できる信号)とアナログ(再生機器で再生できる信号)に相互変換する役割しか担いませんが、最近のオーディオインターフェイスにはDSP機能を持ったものも登場しています。
たとえば、エフェクトの掛かった音でリスニングしながら録りたいというときに、PC内部のエフェクトではなく、オーディオインターフェイスのDSPでエフェクトを加えることができれば、PCの負荷を軽減でき、再生の遅れ(レイテンシー)の回避にも繋がるわけ。
UR44のDSP
DSPには簡単なエフェクトでレコーディング時の演奏性を上げるに留まるものから、PC並みのスペックを持ち、ミックスなどの作業でPCの拡張機能のように使えるものまであります。
UR44はどちらかというと前者。
エフェクト
使えるエフェクトは3つ。
①チャンネルストリップ
②リバーブ
③アンプシミュレータ
これらはダイレクトモニタリング時でもかけることができ、DAWへはエフェクトのかかっていないドライな音を録音することもできます。
使い方・必要性
簡単なエフェクトですが、録るときにエフェクトがあるのと無いのとではパフォーマンスに大きな差が出ます。
歪みのギターの録りをアンプの掛かっていないドライな音で演奏するのは難しいですからね。
DSPアンプの音でモニタリングし、あとでプラグインのアンプシミュレータでリアンプすればちゃんとギターの音になります。
モニター時のアンプの質が多少悪くても、あとでアンプだけ差し替えられます。UR44のエフェクトは演奏性の担保には十分なクオリティです。
DSPの内部は専用のアプリケーションで制御でき、簡単なミキサーとしても機能します。
iPadにも対応
UR44はiPadにも対応しています。持ち運んでレコーディングなんかもできます。
入力が6つあるので、5人くらいのバンドであればパラ録音ができちゃいます。
ドラムはマイク1本で録れますよ↓
ダイナミックマイク1本でドラムを録ろう!バンドマンにこそ知ってほしい簡単録音術。【#18「Sunny/Bobby Hebb」】
こんな人にオススメ
同価格帯のオーディオインターフェイスと比べて強い点は
- 入出力が多い
- DSPがある
- iPadで使える
といったところ。
- マルチマイク録音をやってみたい人
- ギタリスト
- ライブでPCを使う人(出力は多いほうが何かと便利です)
なんかにオススメ。
2017/4/20 odasis