キャリア・仕事

サウンドクリエイターになるまでの半生を振り返る。【⑧転職活動】

2017/11/02

odasisは現在サウンドクリエイターとして、遊技機のサウンド開発の仕事をしています。

雇われの身ですが好きなことが仕事になっています。

それなりの紆余曲折があったので、ここに至るまでの経緯を改めて振り返ってみようと思う。受験生・就活生・音楽関係の仕事に就きたい方など、少しでも参考になることを祈ろう。

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目次

①中学受験から高校まで
②大学受験まで
③大学入学〜サークル活動
④就職活動
⑤大学卒業〜入社式
⑥社会人1年目
⑦社会人2〜3年目
⑧転職活動
⑨退職〜新天地へ

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転職活動を始める

音や音楽に関わる仕事は、楽曲制作に直接関わるものだけでも

  • アーティストや声優
  • レコーディングやライブを演奏面でサポートするスタジオミュージシャン
  • 作曲家・編曲家
  • レコーディング・ミックス・マスタリングのエンジニア

などなど。もちろんこれだけではありません。

 

専門性が高く個人の技量に成果が大きく左右されること、そして著作物を扱うことなどからフリーランスが多い世界でもあります。

 

工程ごとに必要なスキルも機材も異なるため、かつてははっきりとした分業体制が構築されていましたが、コンピュータの発達のおかげで、これらの仕事の境界は無くなってきています。

作曲・編曲・エンジニアリングまでひとりで担い、ネットで配信し収益化する。

 

制作のすべてのプロセスを一個人が担える時代なのです。

 

そんなご時世に洩れず、odasisも軸足を作・編曲に置きつつもひとりでトータルに制作するスタイルを採用していました。

全プロセスの品質が少しずつ落ちてしまうのですが、それよりも全行程を自分の管理下におけることのメリットの方が大きいと感じることが多かった。

 

あと一緒にやれる人がいなかった…

 

もしも仕事にするとしても、ギタリストとしてアーティストの後ろで演奏するとか、スタジオのエンジニアになるといった特に練度が必要になる仕事は想定していませんでした。

 

転職サイトに登録する

おかんが「転職サイトでも見てみたら?」と冗談半分で言うのでとりあえず登録してみることにしました。

そんな都合の良い仕事が見つかるわけがないし、自分の経歴で雇ってくれるところなんてあるわけがない…

そう思いながらもとりあえず登録したのがリクルートエージェントDODA

 

新卒の就職活動の面倒くささを想起しながら踏み出した一歩でしたが、学生の就職活動と社会人の転職活動では全然違いました

 

履歴書を先方に送ったりといった各種調整は基本的にエージェントがやってくれます。求人への応募も新卒のそれに比べると遥かに簡単。

手書きでESを書かせるといった悪しき阿呆な習慣もありません。

エージェントはかなり踏み込んだ助言をしてくれますし、直接会って話を聞いてくれます。大手エージェントであれば、掲載企業も信用があるところが多い。

 

サウンドクリエイターへの転職は事例も少なくエージェント側も深くまでは精通していない印象でしたが、それでもそのノウハウは強く、総じて「とりあえず登録しておいて損はない」ものでした。

 

そんなこんなでヌルッと始まった人生初の転職活動。

転職サイトを覗いてみると、意外にも音楽関係の求人がいくつか見つかりました。

 

求人に応募する

大手エージェントに登録する企業はそれなりに名前の通ったところばかり。

サウンドの求人のほとんどはゲーム・遊技機関係です。やはりそれなりに需要がある領域であるということ。

 

早速応募してやろうと意気込みましたが、求人の必須条件に尻込みました。

 

そのほとんどに

「ゲーム・遊技機業界での実務経験が○年以上あること。」

と書かれているのです。当然そんな経験持ち合わせていません。

 

残念ながら実務経験がない人間が自分の音を聴いてもらうことは困難を極めます。最初の参入障壁がとにかく高い。

 

DAWの進歩で誰でも曲が作れる時代となりましたが、増えたのは母数だけ。

人材不足に変わりはなく、むしろ企業も大量の母数から優秀な人材を探すのが難しくなっている状況とも言えます。

そんな中で、実務経験を必須条件にするのも理解は容易い。

 

結局、内定を頂いた企業以外で音源を提出させてくれた会社はひとつもありませんでした。

 

曲を作って出す

当時、パチンコもパチスロも一度も打ったことのなかったodasisは作曲課題に大いに悩みました。

 

作編曲はこれまでもやっていましたが、自分の好きな曲を好きに作ってきただけ。

使い手を意識した作り方はしたことが無かったし、作っている曲もアーティスト志向の曲が多かった。

 

少しでもヒントを掴むため、何度かパチンコホールには出かけましたがイマイチ感覚が掴めず、課題はそれっぽいインスト楽曲を作って提出しました。

そして、課題以外に自信のあったオリジナル曲(遊技機感は全く無い曲)をいくつか添付しました。のちにコンテストで入賞することになる楽曲です。

 

自分にできることの少なさに嫌気がさしましたが、期限ギリギリに提出した音源は選考を通過し、面接にお呼び頂く運びとなったのです。

 

面接に向かう

最初の面接のときのこと。

 

自分の音源はどんな評価をされるのだろうか…
遊技機の知識はほとんど無いけれども大丈夫だろうか…

不安とともに向かったodasisでしたが、いざ面接が始まるとそんな不安は消えていきました。

 

面接とは言うものの、そこにあったのはクリエイターとしてのコミュニケーションでした。

 

どんなものが好きでどんな人間なのか、制作していく上での苦悩や葛藤など。

面接であることを忘れ、ひとりのクリエイターとして自分がしたいと思っていた会話ができました。

 

そしてその面接の場で、大学受験から迷子になっていた「自分を強烈にDriveする何か」と再会してしまったのです。

 

「その会社は自分に合っているのか?」
「やりたいことに本当にできるのか?」
「そもそも自分にそんな仕事が務まるのか?」

 

 

そんな下らねえこと考えてるヒマなんてねえだろ!

 

 

「自分を強烈にDriveするもの」は容赦なくodasisを突き動かしました。

それは絶対に目を背けてはならない、もう1人の自分の強い主張なのです。疑っているヒマはありません。

 

Driveされたodasisはそこから週4回以上のペースでパチンコホールに通っています。

いきなりお金を飛ばすのも怖かったので5円スロットで、分からないながらもできるだけいろんな台に触りました。

 

ネガティブな印象を持たれがちな遊技機ではありますが、遊ぶ人を楽しませるいろんな工夫が盛り込まれており、ただのギャンブルに止まるものではないこと、そして聴かれる環境は劣悪ながらもいろんな種類の音・いろんなジャンルの音楽が鳴っており、それらが遊び心地に大きく関わることが分かってきました。

 

クリエイターとしてのやりがいが薄っすら見え始めたのです。

 

そこからの面接は自分が感じたことをそのまま伝えました。遊技機の知識が無いことも正直に伝えました。

「自分を強烈にDriveする何か」に再会したodasisは、その勢いのまま内定を頂くことになったのでした。

 

2017/5/21 odasis

続く。

 

目次

①中学受験から高校まで
②大学受験まで
③大学入学〜サークル活動
④就職活動
⑤大学卒業〜入社式
⑥社会人1年目
⑦社会人2〜3年目
⑧転職活動
⑨退職〜新天地へ

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